個人とAIで Tapiava を作ってきて、「AIをうまく使うコツって、結局なんだろう」とずっと考えてきました。
今のところの答えは、ちょっと意外なものです。「AIに考えてもらう」ことではなく、「AIに、まず徹底的に調べてもらう」こと。憶測で作らせるのではなく、人間がすでに積み上げてきた確かな情報の上で、組み合わせて作ってもらう——これが、いちばん効きました。
なぜそう思うのか。私の失敗から書きます。
失敗は、たいてい「憶測」から始まっていた
ふり返ると、うまくいかなかったときは、たいていAI(や私)が"それっぽい・正しそう"という憶測のまま進んでいたときでした。
- 解析した拍に、ただ機械的に足場を並べたステージは、データ上は正しいのに「ただ置いただけ」でつまらなかった(SUNOの曲をステージに変える仕組み)
- Unityの箱をなんとなく並べたワールドは、それっぽいけれど"箱の集まり"止まりだった(clusterのワールドの作り方)
- 「合ってるように見える」コードは、エラーも出ずに3時間動かなかった(配布ギミックが3時間動かなかった話)
共通していたのは、確かな情報に当たらないまま、憶測で進めていたことです。
効いたのは、作る前に「徹底的に調べてもらう」こと
逆に、抜け出せたときは、いつも同じでした。作る前に、その分野で人間が積み上げてきた"確かな情報・考え方"を、徹底的に調べたんです。
- ステージは、世界中のヒット作がどう作られてきたか(先人が残してくれた設計の知恵)を調べてから、作り直した
- ワールドは、公式の制作ガイドや、ちゃんと作られた実例に当たってから、作り直した
- ギミックは、公式ドキュメントと、実際に動いているコードを見て、ようやく直せた
ポイントは、AIに実装してもらう前に、「確かなリソースが"ある"状態」を作っておくこと。憶測で答えを出させるのではなく、確かな情報を調べてもらい、それを組み合わせて実装してもらう。順番を変えるだけで、出てくるものの質がまるで違いました。
なぜ「憶測」がダメで、「リサーチ」が効くのか
AIは、「それっぽいもの」をものすごい速さで出してくれます。これは本当にすごい。でも、確かな裏づけがないと、もっともらしく外すことがある。
一方で、人間が検証して残してくれた確かな情報の上に立つと、AIの"組み合わせる力"が本領を発揮します。土台が確かなら、その上での組み立ては、びっくりするほど速くて頼もしい。だから私は、AIに「考えて」と頼む前に、「まず調べて」と頼むようになりました。
いちばん伝えたいこと:AIは、人間の積み重ねが生んだ
そして、これを続けるうちに、もっと大事なことに気づきました。
AIが頼っている知識は、ぜんぶ、人間がこれまで書き残し、検証し、積み上げてきたものです。ゲームの作り方も、コードの書き方も、ものづくりの考え方も——誰かが試して、つまずいて、記録してくれた。その膨大な積み重ねから学んで、AIという存在そのものが生まれました。
だから、AIと作るときに**「人間の積み重ね」に頼るのは、遠回りでも妥協でもありません。それが土台そのもの**なんです。
先人が残してくれた知識の上に立って、AIという増幅器で、また少し前に進む。そして自分も、つまずきを正直に記録して、次の誰か(や、次のAI)の土台に、ほんの少し足す。——そういう、感謝のあるものづくりをしていきたいと思っています。
このブログ自体が、その小さな「積み重ね」のひとつになれたら、うれしいです。
こういう「作りながら考えたこと」も、これからも正直に残していきます。よかったら、一緒に見守ってください。
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— baku(Tapiava 運営)