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ChatGPTとClaude、そして私で「曲が、ステージになる」ゲームを作った話

開発記2026-05-31baku

目次

  • はじまりは「SUNOの曲を、そのまま遊べたら」
  • AIふたりと私、3人の役割分担
  • 「曲をステージに変える」技術のはなし
  • 一番むずかしかったのは「機械的に置かない」こと
  • かわいさは、気分ではなく「ルール」にした
  • そして5/29、3曲で公開した
  • これからのこと

「曲が、ステージになる。」

これは私たちのゲーム Tapiava Song Run のキャッチコピーです。1曲ぶんの音楽が、そのまま走って跳ねるステージに変わる。自分のアバター「リーリー」を連れて、ビートに合わせて駆け抜ける——そんなブラウザゲームを、2026年5月29日に公開しました。

作ったのは、私(baku)ひとり。ただし、相棒が2人います。ChatGPT と Claude です。この記事では、3人でどうやって1本のゲームを形にしたのか、その裏側を正直に書いてみます。

はじまりは「SUNOの曲を、そのまま遊べたら」

きっかけは単純でした。音楽生成AIの SUNO で曲を作るのが楽しくて、気づけば何曲もできていた。「クリエイターおとうさん」という名前で出しているこの曲たちを、聴くだけじゃなくて"遊べたら"いいのに——そう思ったんです。

歌詞でメッセージを伝えるより、曲調そのもので世界観を伝えたい。やさしい曲はやさしいステージに、たたみかける曲は息もつかせぬステージに。音楽の起伏を、そのまま遊びの起伏にできないか。それがスタート地点でした。

AIふたりと私、3人の役割分担

「個人開発」と言っても、実際は3人チームのような進め方でした。役割がきれいに分かれていたんです。

  • ChatGPT — 短い相談、その場の判断、効果音のアイデア出し、ブレスト。とにかく回転が速い相棒。
  • Claude — 仕様書づくり、コード生成、長い設計の検討、リサーチ。じっくり積み上げる相棒。
  • 私(baku) — 最終判断、3Dアバターまわり、そして「これは本当に面白いか?」を自分の手で遊んで確かめる係。

おもしろいのは、AIに丸投げすると、たいてい失敗するということでした。AIは「それっぽいもの」をすごい速さで出してくれます。でも"それっぽい"と"面白い"の間には、深い谷がある。その谷を埋めるのは、結局いつも人間の「実際に遊んでみた感想」でした。

「曲をステージに変える」技術のはなし

中身を少しだけ。曲をステージに変える流れは、ざっくりこうです。

  1. SUNO で作った曲を、librosa(音楽解析のライブラリ)でドラムやメロディなどの要素に分解する
  2. ビートやアクセントの"鳴っている瞬間"を取り出す
  3. その瞬間に合わせて、ジャンプや障害物、足場をほぼ自動で並べる
  4. ブラウザゲームエンジン Phaser に流し込んで、実際に走れるステージにする

ポイントは「ほぼ自動」というところ。完全自動だと、どうしても単調になる。だから最後は人の手でリズムを整えます。ここが、このゲームのいちばんの肝でした。

一番むずかしかったのは「機械的に置かない」こと

正直に言うと、最初に作ったステージはつまらなかったです。

ビートの位置に、等間隔で足場をポンポンと置いた。データ上はちゃんと曲と同期している。なのに、自分で遊んでみたら「ただ置いただけ」にしか感じない。ゲームとして、まったく成立していなかったんです。

そこで一度立ち止まって、世界中のヒット作がどう作られているのかを徹底的に調べました。リズムゲームの名作、横スクロールの古典、音楽と完全同期するゲーム——。すると、面白いステージにはいくつもの"法則"があると分かってきました。たとえば:

  • サビ(曲の山場)に、ステージの山場を合わせる。全体を均一に難しくしない。
  • 新しい仕掛けは、いきなり本番で出さない。安全な場所で1回学ばせてから、少しずつ難しくする。
  • 1つのステージに、主役の仕掛けは1つ。あれもこれも詰め込まない。

この学びをもとに、3つのステージにそれぞれ違う主役を持たせました。やさしい曲はジャンプ台で気持ちよく跳ねるステージに、ふつうの曲は連続する足場を渡るステージに、むずかしい曲はそれらを組み合わせたコンボのステージに。

「データが正しい」と「遊んで楽しい」は、まったくの別物。これは、このゲームで一番大きな学びでした。

かわいさは、気分ではなく「ルール」にした

Tapiava の世界は、やさしくて、あたたかくて、ちょっと懐かしい「放課後」がテーマです。だから演出も、激しいアーケード調ではなく、かわいくて優しい方向に倒すと最初に決めました。

効果音は「ぷよん」とした柔らかい音。障害物にぶつかっても怖くない。曲も、攻撃的なものではなく、口ずさめるような歌物寄り。「かわいい」を気分で判断せず、最初にルールとして言葉にしておくと、AIに相談するときも判断がブレなくなります。これも個人開発の小さなコツでした。

そして5/29、3曲で公開した

こうして、やさしい「プレゼントみたいな夜」から、たたみかける「チョコ」まで、3曲・3つの難易度で公開にこぎつけました。主人公は、あなたの「リーリー」。ログインして、自分のアバターで走れます。

完璧ではありません。これは"はじまりの3曲"です。ここから曲を増やし、遊びを磨いていきます。

これからのこと

私たちが本当にやりたいのは、「自分の曲が、自分の遊べるゲームになる」体験を、もっと多くの人に開くことです。今は私が作った曲が走れるだけですが、いつかあなたのリーリーが、いろいろな曲やいろいろな作品の中で遊べるようになっていきます。

その第一歩が、この3曲ぶんの小さなゲームでした。

よかったら、あなたのリーリーで一度走ってみてください。きっと、曲の聴こえ方が少し変わると思います。

👉 Tapiava Song Run を遊んでみる


この記事は、Tapiava を1人で運営している baku が書きました。開発の裏側や、AIと一緒にものづくりをする話を、これからも devlog で書いていきます。

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