音楽生成AI SUNO は、本当に何でも作れます。でも、ゲームやサービスの「世界観に合う曲」を作ろうとすると、その"何でも作れる"が逆に難しさになります。
私が Tapiava の曲づくりでたどり着いたコツは、ひとつです。最初に「曲のルール」を、言葉で決めておくこと。この記事では、その中身を実録で書きます。
SUNOは、方向を決めないと「ブレる」
SUNO に思いつきで指示を出すと、毎回テイストの違う曲ができます。1曲ずつ見れば良い曲でも、並べると世界観がバラバラになる。
ゲームでもサービスでも、ユーザーは「らしさ」で覚えてくれます。曲がブレると、その「らしさ」がぼやけてしまう。だから、1曲ごとの出来栄えより、全体の方向をそろえることが大事でした。
Tapiavaが最初に決めた「曲のルール」
Tapiava の世界は、やさしくて、あたたかくて、ちょっと懐かしい「放課後」がテーマです。だから曲も、最初にこう決めました。
- 可愛く、優しく … とがった音より、ほっとする音を選ぶ
- 激しいアーケード系・チップチューン系は避ける … 8-bitのピコピコ音や、ゲーマー向けの攻撃的なサウンドは、Tapiavaの世界観には合わない
- 口ずさめる「歌物寄り」 … インストでも、メロディが歌える方向にする
- イメージは オルゴール・子守唄・かわいいポップ
「音楽ゲームだから激しい方がいい」と思われがちですが、Tapiava はあえて逆。やさしい曲で、やさしく走る——そこを世界観の芯にしています。
なぜ「気分」ではなく「ルール」なのか
これは、以前の開発記でも書いた学びと同じです。「かわいい」を気分で判断すると、毎回ブレる。
でも、上のように言葉のルールにしておくと、強い味方になります。
- SUNO に出すプロンプトの方向が、毎回ブレない
- AIに相談するときも、「これはTapiavaっぽい?」を一言で判定できる
- 「なんかしっくりこない」を、「ルールのどこから外れたか」で説明できる
判断の"ものさし"を最初に作っておく。これが、世界観を保ったまま曲を増やしていくコツでした。
ゲームに乗せるときの、もう一歩
ゲーム用の曲には、もう少しだけ意識することがあります。
- 短め・ループしやすく … 何度も遊ぶので、長すぎず、自然に繰り返せる構成に
- 歌詞より、曲調で語る … メッセージを歌詞に詰め込むより、曲の雰囲気そのもので世界観を伝える
- テンポは"走りたくなる軽快さ、でも疲れない範囲" … ここは数字で決めず、実際に走って体で合わせます
最後は、ゲームに乗せて自分で走る
どれだけルールに合っていても、実際にプレイして「気持ちいいか」は、また別です。
だから最後は、できた曲をゲームに乗せて、自分で走って確かめる。「ルールで選ぶ」と「体で確かめる」、その両方をやって、はじめて"Tapiavaの曲"になります。
その「ルール」で作った曲が、実際どんなふうに聴こえて、どう走れるのか——文章より、遊んでもらうのが一番です。
- 🎮 聴いて、走ってみる → Tapiava Song Run
- 🏫 曲づくり・ものづくりの話をしている場所 → タピアバの学校(Discord)
— baku(Tapiava 運営)